総務兼務で
”なんちゃって情シス”
にされたあなたへ
── PC触れるだけで背負わされた責任と、あなたが悪くない理由

はじめに:あなたの“モヤモヤ”には理由がある
「PC触れるよね?」「ちょっと詳しそうだから、システムのこと任せるね」「AIで業務効率化できるらしいよ。やっといて」
こんな“ひと言”で、総務・庶務・労務・経理の仕事に加えて、PCキッティングからAI活用推進まで背負うことになった方は少なくありません。
まず最初に伝えたいのは、あなたは悪くありません。
この負荷は、あなた個人の能力不足ではなく、中小企業の“構造的な問題”から生まれています。
中小企業で“なんちゃって情シス”が生まれる3つの構造
あなたが置かれている状況は、個別の不運ではありません。多くの中小企業で同じ現象が起きています。理由は明確です。以下の3つの構造が揃っているからです。
1情シスが専門職として扱われていない
中小企業では「IT=詳しい人がやればいい」という認識が根強いままです。その結果、パソコンが遅い、プリンタが止まった、Zoomの音が出ない…といった“雑多なITトラブル”が全部あなたのところへ流れてきます。
しかしこれは、本来の“情シス”の仕事ではありません。
情シスは本来、IT戦略やセキュリティ計画など、組織のITを支える専門職です。「PC詳しそうだから任せる」は、本質的にミスマッチです。
2SIer丸投げ文化のツケだけが情シスに乗ってくる
多くの中小企業は基幹システムや業務システムをSIerに丸投げしており、内部に知識が蓄積されません。設計情報は共有されず、ドキュメントは古く、仕様がブラックボックス化しています。
つまり、「知らないシステムを守る」という
不可能な仕事を押し付けられているということです。
できなくて当然です。
3総務=“何でも屋”という文化が残り続けている
SNSを見ても、多くの人がこう語っています。忘年会の出し物も、健康保険手続きも、マニュアル更新も、そして情シスも総務。
これは文化であり、慣習であり、あなたの会社特有の問題ではありません。ただし、その文化の犠牲になっているのは“あなた”です。
あなたが悪くない3つの理由
これを読んでいるあなたが「しんどい」のは当然です。理由は、明確に構造化できます。
- 原因は“あなたのスキル”ではなく“組織構造の欠陥”だからITリテラシー、予算構造、ベンダー依存度、職務定義の曖昧さ。これらが積み重なって負荷が集中しています。
- 教育も時間も与えられていないのに“できて当然”という無理筋専門職に必要な教育や権限が与えられていないのに「できて当然」と扱われる。この圧は構造的なものです。
- 経営者の“聞きかじりIT”が負担を倍増させる「AIで効率化できるらしいよ」「内製化すればコスト削減できるよ」。聞きかじりの知識で丸投げされる矛盾は、あなたの能力とは無関係です。
いますぐ実践できる“防衛戦略”
あなたが潰れないためには、今日からできる小さな防衛線を張る必要があります。
1. やること・やらないことの線引き
情シス業務は無限です。「ネットワーク設計はベンダー」「マニュアル作成は各部門」など、境界を明確にしましょう。
2. 業務棚卸しで“負荷”を可視化
やっている業務、所要時間、依頼元を一覧化するだけで、上司や経営層の反応は変わります。
3. 優先順位を“言語化”して共有
「全部やる」ではなく「今日は何をやるべきか」を上司と握りましょう。問題の多くは優先順位の不一致です。
4. 外部(ベンダー)を頼る
ネットワーク調査やセキュリティの最低ラインは、外部と協力すべき領域です。全て背負う必要はありません。
5. 一人で抱え込まないルートを確保する
SNS、技術コミュニティ、ChatGPTなど、“相談相手がいる”だけで負荷は大きく軽減します。社内だけに頼る必要はありません。
まとめ:あなたは悪くない。構造を知れば、守れるものがある。
“なんちゃって情シス”にされてしまったあなたへ。
負荷の正体は、あなたではなく“構造”です。一人で背負うには無理があります。必要なのは、線引き・整理・共有。小さな防衛線が、あなたを守ります。
AIやDXも、丸投げされたまま受ける必要はありません。あなたが今ここにいるだけで十分頑張っています。